ビル・マーレイ出演の映画 オススメ2作品を紹介
2014/12/27
あなたはビル・マーレイを知っていますか?「ゴーストバスターズ」の主人公と言ったほうが通りが良いかもしれません。おちゃらけた、人を食った感じのキャラクターの、あの彼です。
ぼくもいま彼の代表作を使ったように、ビル・マーレイといえば「ゴーストバスターズ」や「ロスト・イン・トランスレーション」のイメージが強いと思います。
ゴーストバスターズもたしかに良い映画です。ぼくも本当に大好きで、子どものころは何度も何度も繰り返し見ましたし、あの映画でテーブルクロス引きを知りました。
門の神にとり憑かれたシガニー・ウィーバーの服装が変だなと思ったり、鍵の神にとり憑かれたルイスのほけっとした顔に笑ったり、ゴーストバスターズごっこをしたりしました。「ゴーストバスターズ」、大好きです。
でも、ビル・マーレイが出演している映画はもっとたくさんあります。そしてその中には、「ゴーストバスターズ」のような「楽しい映画」ではなく、人生について考えさせてくれる「面白い映画」もあります。
ここでは、ぼくが独断と偏見で選ぶ「ビル・マーレイ映画 ベスト2」を紹介したいと思います。
※ ちなみに「ロスト・イン・トランスレーション」は見ていません。スカーレット・ヨハンソン出演作で見たのは「ホーム・アローン3」「アイランド」「ブラック・ダリア」「アイアンマン」シリーズ、「アベンジャーズ」くらいです。
3人のゴースト
ひとつ目は「3人のゴースト」。何度も映画化されているディケンズの「クリスマス・キャロル」を現代風にアレンジしたものです。
ストーリーはクリスマス・キャロルの設定を踏襲したものですが、舞台は現代のニューヨーク、主人公はスクルージではなくフランク・クロスという名前のテレビ局の社長です。
視聴率をかせぐことばかり考えていて、冷淡な経営者であるフランクが、3人のゴーストに連れられて過去・現在・未来を見て歩きます。温かみのない傲慢なビル・マーレイが変わっていく様を描きます。
冷淡で拝金主義の社長役に、ビル・マーレイがぴったりハマっていて、見ていて嬉しくなるくらいです。どこかユーモラスな雰囲気をかもす、お調子者のビル・マーレイだからこそ、反対に血の通わないような役どころが似合うのかもしれません。
ドラマ映画では、人物の深みが伝わるストーリーと演出が必要だと思います。「3人のゴースト」では、はじめは本当にイヤなヤツだと感じさせる主人公が、さいごは非常に人間味あふれる人物に生まれ変わります。
クリスマスは過ぎてしまい、すこし季節はずれな感じも否めないですが、ぜひ年末年始に見てほしい作品です。
ちなみにぼくは、小学生のころにテレビで放映されたのを見た記憶があります。記憶違いかもしれませんが…でも小学生のぼくが積極的に借りるような映画ではないはずなので、おそらくテレビ放送されたものを見たはずです。
大人になって、気になっていたこの映画をネットで探してあらためて見直して、やはり好きな映画だなあと再認識しました。もちろん、子どものころとは細かな点の認識や理解がちがいますが、オススメできる映画であることに変わりはありません。
ビル・マーレイが本当に大っ嫌い!という方にはオススメできませんが(笑)、そういうコダワリがなければ、ぜひ見てください。
恋はデジャ・ブ
ふたつ目は「恋はデジャ・ブ」です。原題は「Groundhog Day」で、ウッドチャックというネズミが春の到来を占うというイベントで、アメリカの一部の都市で実際におこなわれているものです。
「恋はデジャ・ブ」の主人公は性悪で協調性のない、とても自己中心的な気象予報士の男性。彼は嫌味な人間ですがそれを隠すことがなく、仕事仲間にも平然と悪態をつきます。
グラウンドホッグデーのイベントの取材のため田舎町へ取材に行きますが、同行したプロデューサーとカメラマンと一緒に、冬の嵐のため町に閉じ込められてしまいます。
その日から、彼は同じ日を繰り返すことになります。理由不明の「時間のループ」にとらえられ、グラウンドホッグデーを何度も何度も経験することになるのです。
というとSFチックに聞こえるかもしれませんが、この映画の本質はそこではありません。この映画はむしろ、人間ドラマです。
延々と続く時間のループのなかで、犯罪をおかしても翌朝には同じベッドで目覚め、自殺しても翌朝には朝日を迎え、(脚本によれば)数千年も続いたグラウンドホッグデーにおいて、彼は何を考えてどのような行動をするようになったのか。
気がおかしくなりそうな果てしなく長い時間の中で、人間が変質していくさまを描いています。
ビル・マーレイというキャラクターが演じることで悲壮感をあまり感じさせない作品になっていますが、よくよく考えると本当におそろしい出来事を映像化しているのだなあと思います。
およそ100分という短い時間ですが、侮ることなかれ。主人公にとっては際限なく続く地獄のような時の流れと、それによって変わっていくモノ・コトを、ぜひ100分という短時間で味わってほしいと思います。
そして見終わったら、ぜひ映画評論家の町山さんの「映画特電」を聞いてください。あくまで(めちゃくちゃ映画を見まくっている)いち個人の意見ですが、この映画とその周辺知識を理解する助けになるはずです。
参考 : バックナンバー第68回~第80回 町山智浩のアメリカ映画特電
なんでこんな邦題にしちゃったのかな、と思いますが、タイトルと中身の不一致な状態もひとつの楽しみかもしれない「恋はデジャ・ブ」。本当にオススメです。
※ ちなみに町山さんの映画特電では、ほかにもたくさん映画の話が聞けます。業界の裏話や映画についての知見など、映画ファンなら必聴のコンテンツばかりです。ぜひ聞いてください!
なぜベスト3ではないのか?
本当はベスト3にしたかったのですが、そんなにビル・マーレイ出演作を見ていないことに途中で気がつきました。
いや、ビル・マーレイは本当に好きなんですけど、振り返ってみると、同じ映画を繰り返し見ていて、いろんな映画を網羅的に見ているわけではなかったようです。やっぱり酔っぱらいながら記事を書くのは良くありませんね。反省。
年末だからいいよね、と自分を甘やかしながら筆を置きたいと思います。推敲?まったくできませんでした。大変お粗末さまでした…。
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