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PERとは

企業を分析するときによく使われる「PER」について説明します。

PER(株価収益率)とは?

PERとは、株価が高いのか安いのかを判断するときに使われる基準のひとつです。株で儲けるには「安く買って高く売る」必要があるので、その株価が高いか安いかをしらべることは重要です。

PERは株式投資の世界ではとても有名で、多くの投資家がつかう基準です。カンタンに説明すると、次のようになります。

・ PERが高ければ株価は高い(割高)
・ PERが低ければ株価は安い(割安)

一般的には「20倍」を目安として判断します。つまり、20倍以上なら割高であり20倍以下なら割安であるということになります。

ただ、機械的に「20倍以下は割安だから買いだ」と考えてしまうのは非常にキケンなので気をつけてください。

PERの意味

PERの計算方法は次のようになります。

PER = 株価 ÷ 1株あたり利益

※ 1株あたり利益とは、純利益を発行済み株式数で割ったものです。

この式からわかるように、PERは、企業の利益にたいして株価が何倍であるかをあらわす指標です。つまり、株価が高いか安いかを「利益」で判断しようというものです。

たとえばココに、次のような企業があったとします。

株価 : 200円 / 利益 : 10円 / PER : 20倍

この企業の株を20年間持ち続けたときの合計の利益は200円(10円 × 20年)です。200円で買って、200円の利益を得ることになります。

つまり、PER20倍とは「20年で元が取れる」ことをあらわしています。同じくPER10倍なら10年で元が取れる計算です。早く元が取れるPER10倍のほうが割安だということがわかりますよね。

そんなわけで、多くの投資家は「PER25倍なら、利益のわりに株価がちょっと高いなあ」と判断するというわけです。

企業ごとにPERがちがう理由

企業の中には、PER5倍というところもあれば、PER50倍というところもあります。この違いはどうして生まれるのでしょうか?

企業の利益は毎年変化します。それにともなってPERも変化します。たとえば、次のような企業があるとします。

株価 : 500円 / 利益 : 10円 / PER : 50倍

PER50倍というと、50年で元が取れる計算なのでかなり割高です。でも、この企業の利益が次の年に50円になったとしたら、PERは10倍になります。10年で元が取れることになるので、こんどはかなり割安です。

このように、将来の利益の変化によって「実は割安(割高)だった」ということが起こります。

投資家は先を見越して投資をするので、利益が成長すると考えられる場合はPERは高めになり、今後利益が小さくなる可能性が高い場合にはPERが低くなることがあるのです。

単純にいうと、人気がある銘柄はPERが高く、人気がない銘柄のPERは低くなります。

PERの使い方

・ 同業他社との比較
同じ業種のほかの企業との比較は有効です。株式市場の状態によって全体のPERの平均値は変わるので、20倍というのはあくまでひとつの目安ととらえてください。

・ 高PERの銘柄へは投資しない
PERが高いのは、将来利益が大きくなることを見込まれているためという判断もできますが、逆に利益がそのままだったり小さくなったときには反動が大きくなります。

未来のことは誰にもわからないので、高PER銘柄への投資はかなり不確実性が高い投資といえます。

・ PERだけで判断しない
PERは有効な指標ですが、PERが低いからという理由のみで株式投資をおこなうのはキケンです。実際に割安かもしれませんが、逆に将来割高になる可能性もあるからです。

PERを見るだけでは、割安か割高かは判断できません。これはほかの指標でも同じことです。

・ 自分で計算する
PERは自分で計算しなくてもインターネットで知ることができますが、僕は投資先を決めるときにはしっかり自分で計算をおこないます。これはほかの指標でも同じです。

・ 数字は絶対ではない
これは少しわかりにくいかもしれませんが、企業の利益には営業利益、経常利益、純利益などがあります。通常PERをもとめるときに使うのは「純利益」です。

純利益には「毎年きまって発生する利益」以外の利益(つまり、その年だけ発生した利益)も含まれている場合があるので、注意が必要です。僕は営業利益から税金を引いたもので計算しています。

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