気配値(板)の見方
あなたは、普段どこで株価を確認しているでしょうか?
新聞、テレビ、Yahoo!ファイナンスなど、いろいろな情報源がありますが、じつは、そこにある株価と、実際の株価はちょっと違いがある場合があるんです。
そのときの、いちばん最新の株価を知るには、「気配値」というものを見る必要があります。
その、株の世界独特の、気配値についてお話します。
気配値って何?
”百聞は一見に如かず”ということで、ひとまず下の表をごらんください。
(まだ何も話してないので、一聞もありませんが(^^;))
売気配株数 | 気配値 | 買気配株数 |
2200 | 156 | |
2000 | 155 | |
1800 | 154 | |
2500 | 153 | |
1100 | 152 | |
151 | 1900 | |
150 | 1700 | |
149 | 1500 | |
148 | 800 | |
147 | 500 |
これが気配値というものです。板(いた)とか呼ばれたりもします。
(正しく言うと、この”板”に提示されている、「買いや売りの株価のこと」を気配値といいます)
見てわかるとおり、この板には、”買いたい人の株数”と”売りたい人の株数”の合計の注文株数が集まっています。
たとえば、数字が青くなっているところをご覧ください。
売気配株数が1100で、気配値が152になってますよね。
これはつまり、152円で売りたい人の株数の合計が、1100ありますよ、ということを示しています。
こんどは、数字が赤くなっているところをご覧ください。
買気配株数が1900で、気配値が151になってますよね。
これは、151円で買いたい人の株数の合計が、1900ありますよ、ということを示してるんですね。
大丈夫でしょうか。むずかしくないです?
そして、もう気づいていらっしゃるかもしれませんが、151円と152円は、それぞれ”買ってもいい上限”と”売ってもいい下限”の株価をあらわしています。
どういうことかというと、
・ 151円で買いたい人(株数)が、151円で売りたい人(株数)よりも多いので、
・ 151円の左側には売気配株数が無い。
買いたい人(株数)>売りたい人(株数)
・ 152円で買いたい人(株数)が、152円で売りたい人(株数)よりも少ないので
・ 152円の右側には買気配株数が無い。
売りたい人(株数)>買いたい人(株数)
ということになっているんです。
つまり、ここが需要と供給の分かれ目になってるんですね。
この銘柄を売買している人たちは、「152円じゃ高いが、151円なら安い」と思っているのです。
その結果、上のような気配値に落ち着いた、ということです。
ここで、もし「152円でも安いんちゃう?」という人が現れて、どんどん買っていくと、下のようになります。
売気配株数 | 気配値 | 買気配株数 |
2400 | 157 | |
1900 | 156 | |
1800 | 155 | |
2100 | 154 | |
2600 | 153 | |
152 | 2300 | |
151 | 1600 | |
150 | 1300 | |
149 | 700 | |
148 | 300 |
こんどは、152円が”買ってもいい上限”になり、153円が”売ってもいい下限”になったということです。
こうやって、株価は動いていくんですね。
実際の株価と気配値
さて、ここまでお話したとおり、株価は、買いたい人の株数と売りたい人の株数で決まります。
それでは、上の表(二つ目の方)のときでは、株価はいくらだと思いますか?
お疲れだと思うので、ムダな引っ張りはやめましょう(笑)。
正解は、152円か153円です。
はい、2つのうちのどっちか、ということになります。
これは、時間によって変わります。「153円で買いたい」という人がいれば、153円になりますし、「152円で売りたい」という人がいれば152円になります。
そのとき約定(取引が成立すること)した株価が、最新(現時点)の株価ということになるんです。
(あたりまえだろ!というツッコミが聞こえてきそうだなぁ(笑))
でも、ここでひとつ疑問がうかびます。
もし、”現在の株価が152円でも、152円で買えるかどうかはわからない”ということです。
もう一度、上の表をごらんください。
152円のところに2300株の買い注文があります。いまあなたが152円で買い注文を出しても、2300株がその前に並んでいることになります。
ということは、もし、「152円で売ってもいいよ」という注文が2300株以上出なければ、あなたの買い注文は約定されないことになります。
なぜなら、あなたの注文は、2400株番目(!?)に位置しているのですから(笑)。
つまり、この場合、どうしても買いたいなら、153円で注文を出すべきということになります。そうすれば、153円の売り注文と約定することになります。
そんなわけで、現時点の株価(152円)と、実際に買うことのできる株価(153円)は微妙にちがうんですね。
だから、かならずしも、表示されている株価どおりに売買できるかどうかはわからない、ということを覚えておいてください。
気配値にかくされたドラマ
気配値は、見ないで売買することもできます。
たとえば、成行で注文を出したり、逆指値をつかったり、ふつうに買いたい株価で注文を出したりというふうにです。
でも、一応、切羽つまったときに困らないように、見方くらいは覚えておいたほうがいいかなぁ、と思い、お話しました。
一方、デイトレーダーの方は、株価の動きの様子や、最終的な判断などに欠かせない存在なので、しっかり確認しておくといいと思います。
また、この気配値には、実はいろんなドラマがかくされています。
腕利きのトレーダーや、ズブの素人まで、いろんな人の思考と戦略がここに集結しています。
だから、それを見てるだけで楽しむこともできるんですよ。ていうか、僕はいつも楽しんでます(笑)。
ぜひ、あなたも、気配値を見て、いろんなドラマを想像して楽しんでみてくださいな。
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