グランビルの法則
移動平均線をもちいたテクニカル分析の手法に、「グランビルの法則」というものがあります。
グランビルの法則は、アメリカはウォール街の著名な株式アナリスト、ジョセフ・グランビル(Joseph E. Granville)があみだした、株価と移動平均線の位置関係を利用した手法です。
彼はもともとウォール街のいち記者だったらしく、そこでいろいろな株式理論を発表し有名になったそうです。
8つの売買ポイント
グランビルの法則は、株価と移動平均線の位置関係を、移動平均線の状態と株価の動きをふまえて見たものです。
なんだかとてもややこしく聞こえますが、上の文は無視して下の画像をご覧ください。
赤マルと青マルがそれぞれ4つづつあります。これがグランビルの法則の「8つの売買ポイント」です。
それでは、それぞれを説明します。
■ 買いポイント
(1) 下向きだった移動平均線が、横ばいか上向きになり、株価が移動平均線を上に突き抜けたら買い
(2) 上昇している移動平均線を株価が下まわった(割り込んだ)ものの、ふたたび移動平均線を突き抜けて反発したら買い(押し目買い)
(3) 上昇している移動平均線の上で、株価が下落したものの、移動平均線に触れずに反発したら買い
(4) 下降している移動平均線を株価が大幅に下まわり(割り込み)、乖離が大きくなったら買い(リバウンド狙い)
■ 売りポイント
(1) 上向きだった移動平均線が、横ばいか下向きになり、株価が移動平均線を下に突き抜けたら売り
(2) 下降している移動平均線を株価が上まわった(越えた)ものの、ふたたび下落して移動平均線を突き抜けたら売り
(3) 下降している移動平均線の下で、株価が上昇したものの、移動平均線に達することなく反落したら売り
(4) 上昇している移動平均線を株価が大幅に上まわり(越えて)、乖離が大きくなったら売り
文中に出てくる「乖離」とは、ここでは株価と移動平均線の差(チャート上でいうと距離)のことです。ふつうは「移動平均乖離率」として%(パーセント)を使ってあらわします。
株価 - 移動平均値
移動平均乖離率 = ─────────── × 100 (%)
移動平均値
株価が移動平均線よりも上にあれば乖離はプラス、逆だとマイナスです。
グランビルの法則のひとつのまとめとして、乖離がマイナスに大きくふれたら買い、プラスに大きくふれたら売りなさいということをいっています。もうひとつの重要点は移動平均線と株価の絡みです。
乖離が大きくなりすぎたから買い・売りというのは、RSIやストキャスティクスの買われすぎ・売られすぎと同じようなものですね。
グランビルの法則の注意点
グランビルの法則は、もともと200日移動平均線をもとにあみだされたものです。ちょっと期間長すぎです。
これは、ダマシを極力おさえるための設定です(と僕が勝手に思っています)。
というのは、テクニカル指標には次のような傾向があるからです。
・ 期間を短く見つもれば売買サインは頻発し、ダマシも増える
・ 期間を長く見つもれば売買サインは減少し、ダマシも減る
そんなわけで、かならずしも、グランビルの法則がどの銘柄、どの移動平均線を対象にしても有効であるとはかぎらないのです。
というか、これはテクニカル指標をあつかう場合に理解しておくべき当然のルールといえますね。
グランビルの法則をつかうときには、その銘柄がいまどの移動平均線を意識して動いているのか?その移動平均線は自分の投資法にあった期間とマッチしているか? などを考えてつかいましょう。
そしてもちろん、グランビルの法則ひとつに頼りきるということはさけるべきです。
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