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2008年10月25日

100年に1度の相場ならば

バリュー投資家は、価値よりも株価が安いときに仕込みます。だから、100円の価値のある企業が70円であろうが50円であろうが、かまわず買うはずです。もちろん各人の基準には差があると思いますが、とにかく価値よりも安く買えればよいわけです。

昨今の金融危機による暴落相場は、100円のものが60円からさらに30円に下がるような状態だと思いますが、バリュー投資家にしてみればあまり悲しむことはないと思います(キャッシュがなくチャンスを生かせないということ以外は)。

問題は、インデックス投資家ですよね。TOPIXやNYダウなどの市場平均に連動する投資成績を目指している人たちです。

インデックス投資家は、効率的市場仮説や経済(市場)の長期的な成長をよりどころとしています。そして、統計を元に自らのリスク許容度を考慮してアセットアロケーション(資産配分)を組みます。

問題は「統計」の部分だと思うんです。先日、グリーンスパン前FRB議長が「100年に1度の津波」と発言したそうですが、今回の金融危機による暴落相場が本当に100年に1度のできごとなら、そんなのデータに織り込まれているわけないんですよね。

ニューヨーク証券取引所が設立されて210年余。現在の体制になったのが1869年なので、それからだと140年足らず。東証にいたってはたったの60年も歴史がない。

そこから、100年に1度のできごとを計算に入れることはできないですよね。統計については何も知らないので間違った解釈かもしれないですが、インデックス投資の理論がいままで人類が2回しか経験してないことも消化できてるとは思えません。

そもそも、人間は100年も生きられません。資産形成の道半ばならこういう相場に出合えたことをポジティブに受けとめられますが、すでに終盤にある場合は「冗談だろ?」という感じですよね。

もちろん、資産形成の終盤というか、資産運用の域に入っている場合はそれに合わせてリスク許容度の変化をアセットアロケーションに反映しているべきですが、まさか100年に1度の相場に出くわすとは思わないでしょうし。

僕は「祭りだ」とか「キャッシュがあれば買いまくるのに」とかふざけたことを言っていますが、この暴落で大きな苦しみを味わっている人もいることを忘れてはいけませんね。誰よりも自分のために。

「投資は自己責任」・・・100年に1度の暴落相場に出合う可能性も、覚悟しておかなければいけないんですね。

投稿者 hikaru : 2008年10月25日 12:23

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